(2020年2月10日-11日撮影)
だいこんの花の冬は、
ぬくもりに包まれて、
人と人がつながる冬。
風が冷たくなってきた頃 ふと思い出す、
雪の白さ、人のぬくもり、
季節の野菜のほのかな甘み。
冬だからこそ体感できる、
やさしい時間がここにはあります。
静かな、静かな蔵王の冬。
耳をすませば、川の音や野鳥のさえずりが聴こえてきます。
手つかずの自然に包まれ、少しずつ心が洗われていくよう。
まどろみを誘うやわらかな陽射しや、外を眺めると実感する一日の色の変化の美しさ。
たくさんの風景を感じながら、おだやかに時が通り過ぎていきます。
日が沈み、夜の気配が近づく頃、
宿にはあたたかな光が灯りはじめます。
ほんのりと
オレンジ色に照らされた雪景色と、
しだいに深まる夜空に包まれて、小散策や湯巡りへ。
夕食の前には母屋で囲炉裏を囲みながら過ごす、
触れあいや憩いのひと時。
夜を迎える人それぞれの、おだやかな時間がはじまります。
凛と空気が澄み渡る蔵王の夜。
見上げる空は突き抜けるように高く、
幾千の星々が美しくまたたきます。
よく晴れた日には、少し厚着をして、「星見台」での天空散歩へ。
視界を遮る建物も明るいネオンもない、
この場所でしか見ることのできない
満天の星空が迎えてくれます。
鼻の奥をつうん、とつく冷たい空気や、
頬に射すやわらかな光、
サク、サクと雪を踏みしめる音。
だいこんの花の冬の朝は、
五感が研ぎ澄まされるような静けさに包まれます。
まっさらな雪の上に、
時には点々と続くカモシカの足跡を発見することも。
ちょっぴり早起きをした朝の、自然からの贈り物です。
凍てつく寒さの中だからこそ、
いっそう感じる湯のぬくもり。
こんこんとわき出るお湯のなかにとっぷりと身を沈めれば、
たちまち心も体もじんわりほどけていきます。
湯船からは雪をまとった木々の眺めや、
すぐ側を流れる川の音が間近に。
蔵王の自然と一体になりながら、
冬の湯浴みの醍醐味を感じられるひと時です。
高原野菜の産地としても知られる蔵王。
自家菜園や地元の畑で大事に育てた、
季節の摘みたて新鮮野菜は、
温泉山荘だいこんの花になくてはならない存在です。
冬にぜひご賞味いただきたいのは、
温泉山荘だいこんの花 冬の名物料理「蔵王高原大根樹氷なべ」。
蔵王の七日原地域はその標高と火山灰土のため高原大根に適しており
特産品として盛んに栽培されています。
その新鮮な高原大根を食感に変化が出るよう切り方を変えて
樹氷に見立てた鍋料理。
今年は宮城県産の三種類のロース肉(仙台牛・JAPAN-X豚・蔵王本鴨)とともに
お召し上がりいただきます。
お肉のうま味が溶け込んだスープに
高原大根をさっとくぐらせていただくその瞬間は、
至福のひと時です。
その他、新鮮でおいしい白菜が手に入った時は、
生のまま半分にざくっと切ってそのままお出しすることも。
この季節だからこそ味わえる
旬の食材を使ったレシピで皆様をおもてなしいたします。
2019-2020 冬時間と空気感